1. HOME
  2. 技術情報
  3. ベローズとは?

ベローズとは?

ベローズとは?

「ベローズ(Bellows)」とは、日本語に訳すと「ふいご」「蛇腹」と言う意味を持ちます。
「ふいご」とはその昔、鍛冶屋さんが窯の中に風を吹き込むために使った道具のことです。「蛇腹」にはいろいろな意味がありますが、アコーディオンの腹の部分を思い起こしていただくとよいでしょう。

 真空を扱う分野では、一般に金属で製作した筒状のものにひだを設け、伸縮性・気密性・バネ性を持たせたものを「ベローズ」と呼んでいます。
つまり、「ベローズ」=「伸縮管」です。

用途は?

ベローズは半導体・液晶・真空機器をはじめとし、加速器・核融合・原子力・石油化学・鉄道・医療・建築等の幅広い分野で、気体・流体の気密封止のシール用部材とし使用されています。

中でも、大気と真空を遮蔽する搬送部のシール材として、また真空バルブや一般産業用バルブの「完全漏洩防止」シール材として多く採用されています。
昨今では特殊な材質の要求や、ベローズ表面のクリーン度、大型化、長寿命など年々高度な仕様が求められています。

ベローズの種類

ベローズには、製造方法の違いによりいくつかの種類がありますが、入江工研では下記の3種類を取り扱っております。

溶接ベローズ

溶接ベローズ

溶接ベローズとは、精密なディスク上の薄肉金属板を内径と外径を交互に溶接しながら繋ぎ合わせて製作される金属ベローズです。

ベローズと内部と外部の圧力を溶接により遮断した状態で軸方向・軸直角方向・角度方向に変位をさせる事ができます。

成形ベローズ

成形ベローズ

成形べローズは、溶接べローズに比べて歴史的に古くいろいろな製造方法が考案されています。一般的に広く採用されているのは、機械的に成形するロール成形法と、液圧によるバルジ成形法です。

弊社は独自の液圧成形法により製作します。

フレキシブルチューブ

フレキシブルチューブ

フレキシブルチューブとは、自由自在に曲げる事ができる装置の配管用として使用される比較的小口径のべローズです。

弊社はステンレス製のフレキシブルチューブを製作するメーカーです。

製造方法及び特徴

溶接ベローズ

精密に波付プレスされたディスク状の薄肉金属板の内縁・外縁を交互に溶接しながら繋ぎ合わせて製作します。

  • コンパクトで大きい伸縮量が得られ、長寿命な設計が可能です。
  • 内外径の寸法及び厚板を変更する事で、伸縮性やバネ特性の設定が可能です。
  • 耐圧力に優れています。
  • 成形ベローズと比較して、製造コストが高価です。


成形ベローズ

まず金属素材で筒(パイプ)をつくり、その内側から圧力をかけて外径となる山を成形加工します。

  • 面間寸法は大きくなりますが、閉塞部を持たず、伸縮量の小さい用途に適しています。
  • 成形加工にて製作するため、自由に山の高さを変えられます。
  • 製作工程が少ないため、専用機等により大量生産が可能です。
  • 溶接ベローズと比較して、製造コストが安価です。
  • 成形加工にて製作するため、比較的伸び率の大きな材質でしか製作出来ません。

製造方法

溶性ベローズ

STEP 01

素材(金属板)

素材(金属板)

STEP 02

金属板から波付ワッシャーを抜きます。

金属板から波付
ワッシャーを抜きます。

STEP 03

内径・外径を溶接します。

内径・外径を
溶接します。

STEP 04

できあがり。

できあがり。

成形ベローズ

STEP 01

素材(金属板)

素材(金属板)

STEP 02

金属板をまるめて溶接し、パイプをつくります。

金属板をまるめて溶接し、
パイプをつくります。

STEP 03

治具を使って成形加工します。

治具を使って
成形加工します。

STEP 04

できあがり。

できあがり。

  成形ベローズ 溶接ベローズ
材質
※1
SUS316L
ハステロイ®C-22
A5052
A3004
SUS316L
ハステロイ®C-22
AM350相当
適応比較
※2
伸縮性
耐圧性
曲げ性
価 格


※1:上記は弊社で一般的に取り扱っている材質であり、上記以外の材質についてはお問い合せ下さい。
※2:弊社で同材質を使用した場合の比較となります。
※ハステロイ ®C-22はHaynes International, Inc.の商標登録品です。



代表的なベローズ材の特性

  耐腐食性 耐熱性 寿命特性 磁性 価格
SUS316L
(500℃以下)
なし 安価
AM350相当
(溶接ベローズのみ)
×
(450℃以下)
あり SUSより
高価
ハステロイ®C-22 なし 高価




製品情報一覧

お問い合わせ

資料請求・お問い合わせは、
以下メールフォームまたはお電話からお問い合わせください。