R社の研究開発部では、ベローズを用いた導入機を必要とする、高品質の半導体製造装置の開発を進めていた。
R社が設計中の装置には長ストロークの導入機が必要でした。既製品の導入機に仕様の合うものがなかったため、当初はベローズのみを購入し導入機も自社で設計しようと考えていました。ところが、R社には長ストローク設計のノウハウがなく、なかなか最適な設計を実現することができませんでした。
研究開発部のT氏は、次のように振り返ります。
「長ストロークでシャフトがたわむことが、位置決め精度に大きく影響します。ベローズのブロック構造に対応した駆動機構についても、長ストロークであることを考慮する必要がありました。また、自動で伸縮させられる機構を採用したかったのですが、どのような設計にすべきか一向に定まりませんでした」(T氏)
規格品の導入機は形状が大きく異なるため、ほとんど参考にもできません。解決策に心当たりもなく、研究開発はなかなか進みませんでした。
規格品にない形状の導入機が必要
自社で設計しようとしたが、ノウハウがなく実現困難