新コンセプトのバルブを採用したことで、パーティクルの発生を50%以下に低減
高機能なうえに、金属加工を駆使したことで部品点数を減らせ、コストも10%ダウン
開閉スピードを約2倍にアップできたことで、パーティクル拡散防止も実現
パーツメーカーの色よい返事がなかなか得られない状況が続く中、バルブやベローズを担当する入江工研から、低パーティクルを目的とした新しいコンセプトのバルブを試作し、できあがったとの連絡が入った。入江工研では以前からこの課題に取り組んでおり、ちょうど相談を持ちかけられたため、バルブの製造を急いでいたのであった。
しかし、このバルブだけでは大幅なパーティクル削減にはつながらないと考えていた入江工研は、製造装置を含むシステム全体の設計や検証を共同で行う提案し、実施の方向で進めることが決まった。
E社ならびに入江工研のエンジニアは、連日に渡り装置との組み合わせで発生するパーティクル量を測定するたびに、バルブの開閉タイミングやスピードの微調整を実施した。その結果、製造装置の一部を改良するなどの最適化や、接続に使用するベローズとのマッチング調整により、今までの中で最も効果が期待できるシステムが出来上がった。
早速、仮の製造ラインを使ってこのシステムをテストしたところ、従来システムに比べパーティクルの発生量を50%以下まで減らすことに成功した。
また、バルブを知り尽くした入江工研ならではの金属加工技術により、パーティクルを抑制する性能を向上させつつ駆動機構の部品点数を減らしたことで、バルブ単体のコストを10%削減することができた。さらに、ゲートの開閉スピードも従来品の約2倍にすることで、パーティクルの拡散を最小限に抑えることを実現した。
2社は更なるパーティクルの低減に向け、システムのチューニングを今日も行っている。