R社は得意先のデバイスメーカーからの要求に応えるべく、半導体製造装置の改良に取り組んでいた。
得意先のデバイスメーカーから、歩留まり改善のための低パーティクル化について相談を受けたR社。業界ではすでに2桁ナノレベルのパーティクルが問題視されるようになっており、デバイスメーカーの担当者はそのレベルでパーティクルを低減し、製品品質の向上を図りたいと言います。
顧客の要望を受け、技術部のU氏が中心となって装置の改良に取りかかることとなりましたが、それは容易なことではありません。
「パーティクルの発生要因は、装置各部位の摩擦や振動など数十通り考えられます。実際はそれらがいくつか重なった複合的な要因で発生しており、一つを解決しても効果が得られないケースが多いのです。その組み合わせすべてを試すのは不可能ですから、ある程度予測して可能性の高いものからしらみつぶしに試していくという、途方もない作業を続けることになります」(U氏)
いくつかの部品を変更してみたものの、期待した効果は得られません。U氏のチームは結果を出せないまま、日に日に疲弊していきました。
2桁ナノレベルのパーティクルを低減したい
部品の変更などさまざまな方法を試すも効果が得られない