入江工研株式会社

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パーティクルの発生を50%以下に!新たな発想で基幹産業はもっと強くなる 半導体製造装置メーカーE社 生産技術・調達関連部門

課題

デバイスメーカーの要請は、「コスト据え置きで、今以上の低パーティクル化」・・・

得意先のデバイスメーカーから「生産時の低パーティクル化」について、早急に改善するようにと、半導体製造装置メーカーのE社に強い要請が入った。内容は、「コストは従来のままで、25%の低パーティクル化を実現するように」というものであったため、E社では関係者を集めてプロジェクトチームを結成。早々に現状の見直しを行うことにした。

半導体の線幅がますます狭くなる中、一枚のシリコンウェハから効率よくデバイスを生産するためには、発生する不良品を最小限に抑えることが重要となるため、業界全体でその原因となるパーティクルの低減が課題となっていた。
E社は当初、納入しているシステム構成を組み替えることでパーティクル対策ができると考えていた。そのため製造装置とロボットやバルブなど、数パターンの組み合わせを変えて検証を行ってみた。しかし、パーティクル量を5%しか減らすことができなかった。

連日のシミュレーションでも減らせないパーティクル。パーツメーカーの回答も・・・

この結果から、ひとまずプロジェクトはパーティクルの発生源をしらみつぶしにあたることにした。その結果、装置やロボットの稼動部分が、多くのパーティクルを発生させていることがわかり、稼動回数やタイミングを減らせないかといったシミュレーションを連日行った。そのうえで、システム構成を再編成し検証してみたが、目標の25%削減には到底至らず、E社の試みは完全に頓挫してしまった。

E社が苦戦する中、競合メーカーが20%のパーティクル削減に成功したとの情報が入ったことで焦ったプロジェクトチームは、関連するパーツメーカーにも改善の検討や開発の協力を打診した。しかし、日ごろからE社以上に低パーティクル化を考え、ものづくりに取り組んできたパーツメーカーでも、コストを維持した上で改善を行うことは難しく、良い回答を得られないまま、時間だけが刻々と過ぎていった。

課題のポイント

  • 装置や部材の組み合わせを替えて検証したが、5%しかパーティクルを削減できなかった

  • 発生源は突き止めたが、具体的な対策を打つことができなかった

  • パーツメーカーにも協力を求めたが、コストがネックで期待した対策を得られなかった

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